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2012年4月26日 (木)

言葉の慣用性とは何か?Part75 音感と意味のマッチング(22)

 今回は三文字目、二音節目語頭にのみ濁音のある語彙と、二文字目、つまり一音節目の語尾にのみ濁音のある語彙(共に後の文字音は清音のみ)を列挙して、その中でネガティヴ・オア・シニスターミーニングのみ<>で括り、逆に至高意のみ〔〕で括る。

 因みに本サブシリーズは恣意的にその都度カテゴライズする内容を変えているが、本質的に語彙とは体系づけて作られているのではなく、あくまで後付け的に全語彙をカテゴライズする時に体系を我々が持ち出しているだけである事からすれば、その仕方だけが自然であり、語彙間の関係性や語彙形成をしてきた我々の意図や目論見を理解する手助けになる、と言い得るであろう。

 従って同一語彙が様々なカテゴリーで出てくる、つまり一語彙が重複して様々な要素を兼ね備えている事から複数のカテゴリーの成員として集合要素となると言い得るであろう。

三文字目の語尾だけが濁音となる語彙

喘ぐ、仰ぐ、皸、赤毛、赤子、赤字、秋葉、悪事、<欠伸>、アケビ、<阿漕>、浅茅、馬酔木、遊び、愛宕・宕、筏、行き場、育児、意気地、<依怙地・意固地>、石場、五十鈴、磯路、板場、蝗(いなご)、浮かぶ、宴、運河、笑窪、選ぶ、お株、<億尾(おくび)>、お下げ、<お世辞>、温度、音頭、音戸、海馬、飼葉、楓、狩り場、岸辺、金歯、楔、訓示、刑事、警備、警部、頚部・頸部、<軽侮>、<嫌疑>、検事、堅持、顕示、献辞、講座、口座、高座、工事、構図、工場、交尾、後部、頭(こうべ)、神戸、根治、コンビ、昆布(こんぶ)、酒場、叫び・叫ぶ、挿し歯、流石、佐世保、宛ら、蛹、シャモジ、杓文字、騒ぐ、産婆、三羽、三馬、三場、賛美、三部、三分、敷かば、如かば、若かば、布かば、式辞、シメジ、愁眉、仕業、審議、真偽、〔信義〕、心技、〔神技〕、〔真義〕、数字、<助平>、駿河、寸時、寸で、詮議、船具、戦後、遷座、戦時、千図、先祖、千田、鮮度、船場、千羽、仙波、千場、戦備、船尾、争議、<葬儀>、宗祇、相互、掃除、操舵、総出、相場、装備、総武、<卒塔婆>、薪(たきぎ)、焚き火、立場、卵、近場、乳首、<ちんば>、<付け火>、剣(つるぎ)、釣瓶、手鏡、手首、〔典雅〕、当座、当時、遠出、蜥蜴、砦、<頓挫>、鳶(とんび)、蜻蛉、筑波、扉、半ば、中日(なかび)、七部、七分、西日、墓場、八部、八分、波止場、鼻血、人手、人出、海星、<深手>、双葉、帆影、跨ぐ、股木、睫・睫毛、眉毛、御影、三十路、三度、三つ子、雅、百足、結び、咽び、咽ぶ、雌株、持ち場、茂木(もてぎ)、<焼き場>、<やくざ・ヤクザ>、<厄日>、便・縁(よすが)、〔優雅〕、夕餉、昨夜(ゆうべ)、曜日、世継ぎ、夜伽、四部、四分、<腋臭>

三文字目だけが濁音となる三文字語彙

<足掻く>、上げる・挙げる・揚げる、薊(あざみ)、味見、安曇、安住、<暴く>、浴びる、<泡(あぶく)>、依願、<胃癌>、<苛め・虐め>、偉人、依存、偉大、医大、<威張り・る>、いばり(小便)、<鼾>、<歪>、燻す、嗽(うがい)、鵜飼、穿つ、<烏合>、<うざい・うぜい>、うどん、笑顔、描く、恵比寿・夷・戎・蛭子・胡・恵比須・胡、江別、烏帽子、拝む、<おじゃん>、お膳、御代、おでん、お堂、<お化け>、尾鰭、おぶる、お盆、鏡、翳す、庇う、鞄、兆し・萌し、兆す・萌す、絆、貴殿、気張る、<詭弁>、希望、既望、<鬼謀>、<苦言>、<崩す>、<くどい>、配る、くべる、戸外、子飼い、焦がす、焦げる、<木霊>、児玉、小玉、<木魂>、探す・捜す、左岸、左舷、<寂れ・寂びれ>、市外、<死骸・屍骸>、紫外、志願、仕事、<死産>、<死蔵>、次第、仕出し、私大、市大、至大、市電、芝居、<尿瓶>、支弁、至便、思弁、志望、萎む、絞る、姿、凄い・凄み、朱雀(すざく)、筋目、涼む、雀、簾(すだれ)、昴、酢豚、滑る、統べる・総べる、せがむ、世人、世代、背鰭、阻害、疎外、遡源、素材、塑像、育ち、粗銅、側女、そびれ、<粗暴>、違う(たがう・ちがう)、煙草、契り、千切り、番う(つがう)、<潰す>、礫(つぶて)、円ら、綴り、綴れ、手形、手紙、〔手柄〕、手切れ、<手篭め>、<手狭>、手代、ト書き、途切れ、登山、留め(止め)、帳(とばり)、長い、流す、長柄、長良、乍、流れ、<嘆く>、投げる、和む、名指す、詰る、靡く、<嬲る・弄る>、苦い、<苦手>、逃がす(にがす・のがす)、<苦手>、二軍、逃げる、二号、滲む、煮汁、脱がす、拭う、願う、強請る、<鈍い>、値切る、寝相、粘る、覘き・覗き、除く、覗く・覘く、伸ばす、伸びる、述べる、上る・登る・昇る、剥がす・がす・接がす・矧がす、歯切れ、励み、励む、矧げる、禿げる、恥じる、爆ぜる、<破談>、東、非業、日毎、日差し・陽射し・陽射・日射し、<日照り>、酷い、<非番>、秘蔵、<非道>、火鉢、<誹謗>、〔非凡〕、付言、不言、富源、普賢、<へぼい>、<ほざく>、穿る、絆す、日干し、<夜這い>、<紛い>、紛う、曲がる、秣(まぐさ)、<まぐれ>、間口、曲げる、真鯛、間代、間引き、瞼・目蓋、馬渕、磨く、御代、見出し、御堂、見事、見栄え、身分、無芸、<惨い・酷い>、無言、<無残>、無慈悲、メザシ、目差す・目指す、<もがく>、百草・藻草、潜る、<げる>、模造、屋号、宿る、<やばい>、湯掻く・湯く、湯切り、癒合、<湯冷め>、湯殿、湯船、夜霧、過ぎる(よぎる)、夜毎、<夜這い>、離合、路傍、和合、倭人、態と、轍(わだち)、詫びる、和文

 今回の二つのカテゴリーでは前半は余り頻度が大きくはネガティヴ・オア・シニスターミーニングが登場しないし、逆の至高意に関しても同様である。それに対し後半はやや多いし、以前も述べたが ひ の音にそれが多いのは、ひ 音の持つ発音自体の陰気な響きに拠るとは考えられる所であろう。

 唯極めて重要な事とは例えば今回のカテゴリーには当て嵌まらないが、「いかさま」と「さかさま」が音的にも語呂的にも似ている事などが、詩作等では韻律的な感性が創造上重要な要素であるケースでは今回の様なカテゴライゼーションは詩作やコピーライティング等をする際に大きな音感性的なアナロジー認識する為に有益であろう。今後もこの種の恣意的分類にはそういったクリエイター一般の創造の為のツールとしての意図を鮮明化させて続けていこうと考えている。(つづく)

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