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2023年8月23日 (水)

女の海 Part40 帰還と喪失⑱

俺がガードマンになってから半年が経ち、俺の住む国には、大勢の外国人スパイが東京を徘徊する様になったが、実際そういう日常さえ、慣れてくると、それへ別段違和感を抱くことさえなくなっていった。慣れとは恐ろしいものである。

だが、同時にかなり頻繁に、我々の国の西側へ突端が迫り出している半島の根本の国は、八十年程、全く一般的な民主主義国家と相反する歩みを世界へ見せてきた、所謂ならず者国家である。と言って、ではいつも明日我々の国へ攻めて来る、という不気味な兆候を示して来ている訳ではない。散発的に、威嚇的なミサイル発射を繰り返してきただけである。

その年の夏も例年通りかなり暑さが身に堪える年だった。だが、やはり俺はいつもの通り、警備員として、担当するビルの安全確認、不審者が居ないのを確認して、日々過ごされていた。

ある日のことだった。俺はカル・ミカエル氏を久し振りに訪ね、カエデの幼稚園に就いて、何処が良いかを相談したら、彼は自分がかつて経営し、今は自分の大学の後輩へ経営権を手渡した都内の俺の住むマンションから程近い幼稚園を紹介してくれた。

そこへカエデを連れて行き、カエデのことを園長へ紹介すると、年配女性の園長は、カエデを気に入った表情を見せてくれ、簡単な口頭諮問を彼女へ発した。すると、どの質問も簡単なものばかりで、彼女は全て正解し、園長は彼女へ「合格です。」と告げた。

一方、スミレはパートタイマーとして、近所のコンビニに就職し勤務し、FB86は都内の大人向けの武道教室の教官として就職が決まり、一般社会人向けに、自己護身術的実践空手、柔道を基本とする指導を、個々の指導要望顧客へ、日時は顧客のリクエスト時間帯、日程で組まれ、それに応じて道場へ勤務し始めた。

カエデを幼稚園へ連れて行き、正午には彼女を迎えに行く毎日が始まった。

そんなある日のことだった。俺は一人の警察官から、警察で拘束されている数人の容疑者の面通しを協力して欲しいと要請され、例の偽小学校教諭は誰かを識別する様に促された。すると三番目に面通しされた五人の中の1人がそうだったので、俺は「左から2番目の男です。」と返答した。その日は、それだけで私は帰して貰った。

次の日だった。カエデを幼稚園へ迎えに行った時、俺は車を持っていないので、電車で迎えに行き、幼稚園から彼女を連れて電車で帰ろうとした時、その駅で一瞬だが、本来なら警察へ拘束されている筈の例の偽小学校教諭を一瞬、同じ車両の後方に見出した気がした。だが、一瞬だったので、あくまで唯の錯覚だったのかも知れないと思った。だが更にその翌日いつもの様に警備員として、ビルへ行き、その日の勤務内容が警備員派遣会社のビルを午後までチェックして、その後、近所の痴漢が多く出没するとされるかなり広い公園を俺は一人で、チェックすることだったので、そうして回っていた。すると、その時もその偽小学校教諭が、一瞬公園の脇の歩道を歩いているのを、俺は確かに目撃したのだった。

俺は一瞬、自分が精神的に或いは、病んでいるのではないかと、疑い始め、精神科へ通院することを決め、翌日、社長にそのことを正直に告白し、会社を早退し、区役所で紹介して貰い、ある都内の精神科専門のクリニックへ赴いた。

(不定期に続く)

 

Aug. 23rd.  2023

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