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2023年10月17日 (火)

Deva達の攻防 b.

我々、団塊の世代の後発組であるシラケ世代中盤の1959〜1962年に生まれた世代にとって一際大きな精神的な啓発を与えた大衆音楽、ポップスは、紛れもなくロックだった。しかもちょっとブルース系である、完全なブルースはアフロ系米英人へ任せ、所謂グルーヴは、コーカジアン系へ仮託したいという心理は強かった。だからジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジが三大ロックギタリストと、ポップスロック系ジャーナリズムは煽り立てた。

でも、それ以外27で死去したジミ・ヘンドリックスとか、やはり早生したデュアン・オールマン、そういう天才もよく引き合いに出されていた。だが、思春期や青年期突入時代には、テクノポップ、現在のラップの原型である様な多種のリズムのユニットが多く登場する様になり、英国のカルチャー・クラブがその代表格で、ロックはアメリカのTOTOが、最も躍動した姿を見せてくれた。それらの合間に坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏によるイエロー・マジック・オーケストラが席巻する様相も挿入された。

現在の全てのポップス系音楽の原型は、その20年から25年の間に登場した音楽と、それよりクラシカルに歌い継がれた伝統との接合に準拠した音楽の様相と言える。

例を挙げれば、ビリー・アイリッシュの最大ヒット曲、bad guyは、ラップやヒップホップのリズムの原型に、更にテクノポップやグラムロックが恐らく初めて用いた破壊的なコードと効果音の使用を軸に成功を収めたが、尤も彼女のヒット曲で、その戦略で後追い的に成功してるのは、oxytocinくらいであり、それ以外はもっと伝統的な楽曲が中心である。その中で最も成功しているのが、All good girls go to hellだろう。この曲は、歌詞内容の諧謔的分かりやすさに加え、リズムの変則的自由さと、アレンジのクラシカルな手法が相まって、最高のアイロニカルな詩の説得力へ貢献している。

 

だから、プログレッシブロックで、成功を収めたピンクフロイドも、Dark side of the moon, Wish you were here 辺り迄が、頂点で、余り哲学的過ぎると、或いは時事批評的過ぎるとファンは次第にしらけ始める、だからこそ、ジャズロックから次第にイージーリスニング路線へと変貌を遂げたシカゴが、アースウィンド&ファイアと共演する機会でヒットを収めた理由とも繋がってくる。つまり、ピンクフロイドの成功と停滞に対し、よりポップスコマーシャリズム路線とタイアップさせたシカゴの成功が、対照的に浮かび上がる。シカゴも最初はカウンターカルチャー路線のロック思想性、状況論的批評性に準拠していた(ダイアローグの様な楽曲で)が、次第にNY上陸のヒップホップ、ラップのリズムも巧く取り入れたダンサブルな楽曲も多く取り入れ始めた(コール・オン・ミー、ストリート・プレイヤー、オールド・デイズ他)が、それが長くポップス界に君臨できた最大理由であろう。

(不定期に続き)

 

Oct. 17th.   2023

 

付記 アメリカ人アフロフュージョンエスニックのビヨンセが最多グラミー賞受賞アーティストであり、シャキーラが中南米系ラップ、ヒップホップの波で、NY等に上陸したストリートミュージック系のアーティストの波を巧く利用して、コマーシャリズムで成功を収めたのが、ピンクフロイドの全盛期から徐々に停滞して行ったのと、対照的である。つまりリスナーにとっては創作者、歌い手の論理や戦略より、惹きつけられるグルーヴ感の方が重要だからなのだ。つまり、消えて行った大勢の創作原点的早生天才達の戦略を巧く利用し、グルーヴ感へ昇華させた天才こそ、アフロフュージョンエスニックのビヨンセであり、ラテンアラビックフュージョンのシャキーラと言えよう。故にクイーンは、それら全てとも異なった背景と音の故郷があるが、それはインドのゾロアスター教徒系パルシーの家系出身であるフレディ・マーキュリーの持つ天才的資質と音の故郷に依るところが大きい。そう言えばあのラストクリスマスでヒットを放ったWAMの、ジョージ・マイケルもエスニカルバックグラウンドは、ギリシャとユダヤだったが、民族的に継承された感性へ、創作家は、嘘はつけないのだ。

 

尤も、純音楽的価値観へ準拠した考えから語ると、次第にヒットチャートから脱落した音楽家達の挑戦と冒険の方が、より後代へとinvincibleな、enlightenmentを、残す可能性はある。つまり生前、商業主義、社会的成功へは炙れたけれど、歴史に残る音楽もあり得るからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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